SNSのDM、本当に安全?知っておきたい危険と無料対策
SNSのダイレクトメッセージ(DM)は、特定の相手と手軽に連絡を取り合える便利な機能です。友人や家族との個人的なやり取りはもちろん、共通の趣味を持つ人との交流など、その用途は多岐にわたります。
しかし、その便利さの裏には、いくつかの危険性も潜んでいます。特に、見知らぬ相手からのメッセージや、意図しない形で個人情報が漏れてしまうリスクなど、注意すべき点があります。
この記事では、SNSのDMに潜む具体的な危険性についてご説明し、それらのリスクを減らすために無料でできる対策方法を中心にご紹介します。日頃SNSをご利用になる皆様が、より安心してDM機能を使うための一助となれば幸いです。
SNSのDMに潜む具体的な危険性
SNSのDM機能は、親しい間柄での利用が中心となりがちですが、設定によっては誰からでもメッセージを受け取れる場合があります。この機能の特性を悪用した手口も存在します。
見知らぬ相手からの不審なメッセージ
全く知らない相手から突然メッセージが届くことがあります。これらは、以下のような目的で送られている可能性があります。
- 詐欺・勧誘: 「簡単に稼げる」「投資で儲かる」といった甘い言葉で誘い、金銭をだまし取ろうとする手口や、宗教・マルチ商法などへの勧誘。
- 個人情報の聞き出し: 巧妙な会話で、住所、電話番号、学校名、勤務先などの個人情報を聞き出そうとする。
- フィッシング詐欺・ウイルス誘導: 不審なURLリンクを送りつけ、偽サイトに誘導してアカウント情報を盗み取ろうとしたり、悪意のあるプログラムをダウンロードさせようとしたりする。
- 迷惑行為・誹謗中傷: ストーカー行為の一環として執拗にメッセージを送ったり、匿名で傷つく言葉を送りつけたりする。
なりすましアカウントからの接触
知人や著名人になりすましたアカウントからDMが送られてくるケースもあります。本物だと信じてやり取りをしてしまうと、個人情報を抜き取られたり、金銭を要求されたりする危険があります。
子供が悪意のある大人と繋がるリスク
お子様がSNSを利用している場合、DMを通じて悪意を持った大人から接触されるリスクが考えられます。言葉巧みに近づき、個人的な情報の聞き出しや、直接会う約束を取り付けようとするなど、お子様を危険にさらす可能性があります。
DMの危険から身を守る無料対策
これらの危険性に対して、特別なツールや高度な知識がなくても、SNSの標準機能を使って無料でできる対策があります。
1. プライバシー設定の見直し
多くのSNSには、誰からのメッセージを受け取るか、どのように通知されるかなどを設定できるプライバシー機能があります。
- メッセージリクエスト/フィルタリング機能: 知らない相手からのメッセージは「メッセージリクエスト」や「スパム」などのフォルダに振り分けられ、メインの受信箱に入らないように設定できます。これにより、不審なメッセージにすぐに気づくことなく、内容を確認するかどうかを自分で判断できます。初期設定でオンになっていることが多いですが、念のため確認しておきましょう。
- メッセージの受信範囲設定: DMを送信できる相手を、「誰からでも」「フォローしている人だけ」「友達(繋がっている人)だけ」のように制限できる場合があります。安全性を高めるためには、「友達だけ」など、信頼できる相手からのメッセージのみを受け取る設定にすることが有効です。
- 公開範囲との連動: 一部のSNSでは、投稿の公開範囲設定とDMの受信設定が連動していることがあります。例えば、非公開アカウントに設定すると、フォローしている人以外からのDMを受け付けなくなる、といった仕様です。
これらの設定は、各SNSの「設定」メニュー内の「プライバシー設定」「メッセージ設定」などの項目から変更できます。ご自身やご家族の利用状況に合わせて、適切な設定を選びましょう。
2. 不審なメッセージへの対処法
もし不審なDMが届いた場合は、以下のように冷静に対処することが大切です。
- メッセージを開かない/返信しない: 内容が不明なメッセージは、安易に開いたり返信したりしないようにしましょう。開いただけでウイルスに感染するようなケースは稀ですが、返信することで相手に「このアカウントは使われている」と認識させてしまい、さらに迷惑メッセージが増える可能性があります。
- URLリンクを安易にクリックしない: メッセージに含まれるURLリンクは、信頼できる相手からのものでない限りクリックしないようにしてください。フィッシングサイトへの誘導や、ウイルス感染の危険があります。
- 個人情報は絶対に教えない: DMで、氏名、住所、電話番号、パスワード、クレジットカード情報などを聞かれても、決して教えないでください。公的な機関や企業がDMで個人情報を要求することは基本的にありません。
- ブロック機能を活用する: 迷惑なメッセージを送ってくる相手は、ブロック機能を使ってメッセージの受信やアカウントの閲覧ができないように設定しましょう。
- 通報機能を活用する: 迷惑行為、詐欺、なりすましなどの疑いがあるアカウントやメッセージは、SNS運営に通報しましょう。多くのSNSには通報機能が備わっています。これにより、他のユーザーも同様の被害に遭うのを防ぐことができます。
3. (お子様向け)利用ルールの設定と共有
お子様がSNSのDM機能を利用する場合、保護者の方との間で利用ルールを決めておくことが非常に重要です。
- 「知らない人からのDMは開かない・返信しない」
- 「DMで個人情報を教えない」
- 「困ったこと、心配なことがあったらすぐに保護者に相談する」
といった基本的なルールを明確に伝え、一緒にSNSのプライバシー設定を確認しましょう。お子様が安心してSNSを利用できるよう、日頃からコミュニケーションを取りやすい関係を築いておくことが何よりの対策となります。
まとめ
SNSのダイレクトメッセージ(DM)は便利なコミュニケーション手段ですが、その使い方を間違えると、詐欺や個人情報漏洩、誹謗中傷など、様々な危険に巻き込まれる可能性があります。
しかし、多くのSNSに備わっている無料のプライバシー設定機能を適切に利用し、不審なメッセージに対して冷静に対処することで、これらのリスクを大きく減らすことができます。
今回ご紹介した対策は、どれも特別な知識や費用は必要ありません。まずはご自身のSNSアカウントのメッセージに関する設定を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。そして、もしお子様がSNSを利用されている場合は、ぜひ一緒に設定を確認し、安全な使い方について話し合ってみてください。
SNSを賢く安全に利用して、快適なコミュニケーションを楽しみましょう。