SNSで子供が知らない人と通話・ビデオ通話?潜む危険と親ができる無料対策
SNSは、友達と気軽に連絡を取り合ったり、趣味の情報交換をしたりと、便利なコミュニケーションツールです。しかし、お子様がSNSを利用する際に、特に注意していただきたい機能の一つに「通話」や「ビデオ通話」があります。
お子様がSNSで知らない相手と通話やビデオ通話をしてしまうことには、いくつかの危険が潜んでいます。この機会にその危険性を理解し、お子様をトラブルから守るための無料対策について一緒に考えてみましょう。
SNSで知らない相手との通話・ビデオ通話に潜む危険性
SNSの音声通話やビデオ通話機能は、文字だけでは伝わりにくいニュアンスを伝えたり、相手の顔を見ながら話したりできるため、便利な機能です。しかし、相手が本当に信用できる人物かどうか分からない場合、以下のような危険が考えられます。
- 個人情報の特定:
- 声や顔の特定: 声や話し方、顔の特徴などから、本人が特定される可能性があります。
- 背景からの特定: 自宅の部屋の様子や窓の外の景色などが映り込み、住所や学校、生活圏が推測されてしまう危険があります。
- 持ち物からの特定: 制服や部屋に置いてある物、映り込んだ書類などから、学校名や習い事などが分かってしまうこともあります。
- 詐欺や悪質商法への誘導:
- 電話で直接話すことで、言葉巧みに信用させ、お金をだまし取ろうとしたり、危険なサイトへ誘導したりする手口があります。
- 性的な目的での接触(グルーミング):
- お子様に近づき、信頼関係を築いた上で、不適切な会話や行為を要求する危険があります。ビデオ通話の場合、性的な画像や動画の要求、あるいは画面越しにわいせつな行為を強要されるといった深刻な被害につながる可能性があります。
- いじめや嫌がらせ:
- 通話やビデオ通話の様子を無断で録画・録音され、それをネタにいじめや脅迫を受けたり、インターネット上にばらまかれたりする危険があります。
- 相手の容姿をからかう、罵倒するなど、精神的なダメージを与える行為が行われる可能性もあります。
- 悪意のある情報収集:
- お子様から個人情報(学校、家族構成、行動パターンなど)を聞き出し、犯罪に悪用しようとする可能性があります。
お子様は、見知らぬ相手からの誘いに対し、好奇心や断り切れない気持ちから安易に応じてしまうことがあります。また、オンライン上の関係を現実世界の関係と同じように捉え、危険を十分に認識できないことも少なくありません。
親ができる具体的な無料対策
お子様をSNSの通話・ビデオ通話の危険から守るために、ご家庭で実践できる無料の対策をご紹介します。最も大切なのは、事前の準備と日頃からのコミュニケーションです。
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お子様とSNSの利用ルールについて話し合う
- これが最も基本的な、そして最も重要な対策です。「知らない人からの通話やビデオ通話には絶対に出ない」「もし出てしまったらすぐに切る」といった具体的なルールを、お子様が理解できるよう優しく伝えましょう。
- なぜ危険なのか、どんなことが起こりうるのかを、脅すのではなく、事例を交えながら具体的に説明することが大切です。
- 「困ったことや怖いことがあったら、すぐにパパやママに話してね」と伝え、相談しやすい関係を築いておくことが何よりも重要です。
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利用しているSNSのプライバシー設定を確認・変更する
- 多くのSNSでは、誰から通話やビデオ通話のリクエストを受け取るか、設定で制限できる場合があります。「友達のみ」「相互フォローしている人のみ」など、お子様の利用状況に合わせて範囲を狭める設定がないか確認しましょう。
- お子様のアカウントの「公開範囲」設定も合わせて確認し、友達以外には最低限の情報しか見られないように設定しておきましょう。
- これらの設定方法はSNSによって異なりますので、お子様が利用しているSNSのヘルプページなどで確認してください。
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「ブロック機能」「通報機能」の活用を教える
- 不審なアカウントや、不快な通話・ビデオ通話の要求があった場合は、相手を「ブロック」するよう教えましょう。ブロックすれば、相手からのコンタクトを遮断できます。
- 悪質な行為があった場合は、SNSの運営元に「通報」できる機能があることも伝え、その使い方を理解させておきましょう。
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スマートフォンの利用状況を確認する(見守りアプリなど)
- スマートフォンのOS(iPhoneなら「スクリーンタイム」、Androidなら「Digital Wellbeing」など)に搭載されている機能や、無料で利用できるペアレンタルコントロール機能付きの見守りアプリを活用することで、お子様がどのアプリをどれくらい使っているか、誰と連絡を取っているか(通話内容そのものではなく、通話履歴などが確認できる場合がある)などを把握できます。
- ただし、プライバシーとのバランスも大切です。監視するのではなく、あくまでお子様を見守り、危険から守るためのサポートとして活用することを心がけてください。
もしトラブルに遭ってしまったら
もし、お子様がSNSで知らない相手との通話・ビデオ通話に関して怖い思いをしたり、トラブルに巻き込まれてしまったりした場合は、以下のように対応しましょう。
- すぐに親に相談させる:
- 「怒らないから教えてね」と優しく声をかけ、お子様が安心して話せるように促してください。お子様を責めることは絶対に避けてください。
- 相手との接触を断つ:
- 相手をブロックし、そのアカウントからの連絡を完全に遮断します。
- 証拠を保存する:
- やり取りの画面や通話履歴などをスクリーンショットなどで保存しておきましょう。万が一、警察や相談窓口に相談する際に役立ちます。
- SNSの運営に通報する:
- そのSNSの通報機能を利用し、状況を報告します。
- 専門機関に相談する:
- 一人で抱え込まず、警察のサイバー犯罪相談窓口や、各都道府県の青少年センター、インターネットホットラインセンターなどの専門機関に相談してください。
まとめ
SNSでの通話・ビデオ通話は便利な機能である一方で、特に知らない相手とのやり取りには様々な危険が伴います。お子様がこうした機能を使う可能性がある場合は、事前にそのリスクについてしっかりと話し合い、ご家庭でのルール作りやSNS側の設定変更といった無料対策を行うことが非常に重要です。
最も大切なのは、お子様が困ったときに「親に話せば大丈夫」と思える安心感のある関係を築いておくことです。日頃からお子様とコミュニケーションを取り、オンラインでの活動について関心を持つようにしてください。これらの対策を通じて、お子様がSNSをより安全に楽しく利用できるようサポートしていきましょう。