SNSの顔写真や動画投稿、本当にあんしん?個人特定リスクと無料対策
SNSは友人や家族と日常を共有する便利なツールですが、投稿した写真や動画に潜む危険性については、あまり意識されていないかもしれません。特に顔が映った写真や、場所が特定されうる映像の投稿は、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
この記事では、SNSでの写真・動画投稿に潜む具体的なリスクを分かりやすく解説し、それらの危険から身を守るための簡単で無料でできる対策をご紹介します。お子様の写真などをSNSに載せる機会が多い方も、ぜひ参考になさってください。
SNSの写真・動画投稿に潜む危険性
気軽に投稿した写真や動画でも、そこに含まれる情報から、個人や周囲の状況が特定されてしまうことがあります。どのような危険性があるのか、具体的に見ていきましょう。
1. 個人情報の特定
写真や動画に写り込んだ背景、持ち物、服装などから、住んでいる地域、通っている学校や職場、よく行く場所などが特定される可能性があります。
- 背景: 自宅の外観、近所の特徴的な建物、通学路や通勤路の風景など。
- 持ち物: 学校の制服、会社の制服、特定の趣味に関する道具など。
- 位置情報(GPS情報): スマートフォンの設定によっては、写真や動画に撮影場所のGPS情報が自動的に記録されてしまうことがあります。この情報が含まれたまま投稿すると、どこで撮影したかが正確に知られてしまう可能性があります。
2. 顔写真の悪用やなりすまし
顔写真がインターネット上に公開されることで、以下のような悪用リスクがあります。
- なりすまし: あなたの顔写真を使ってSNSなどで偽のアカウントが作成され、悪用される可能性があります。
- 加工・拡散: 意図しない形で画像を加工されたり、不特定多数に拡散されたりする危険性があります。
- ストーカー行為: 特定された個人情報と顔写真が結びつき、現実世界でのつきまといや嫌がらせにつながる可能性もゼロではありません。
3. 写り込んだ第三者のプライバシー侵害
自分だけでなく、一緒に写っている友人や家族、あるいは背景に偶然写り込んだ他人の顔や個人情報が、無断で公開されてしまうことになります。これは、相手のプライバシーを侵害する行為にあたります。特に、許可なくお子様の写真をSNSに載せる場合は、将来のリスクも考慮する必要があります。
あんしんして写真・動画を共有するための無料対策
これらの危険性を理解した上で、あんしんしてSNSを利用するための具体的な対策をいくつかご紹介します。どれも無料で、少し意識するだけで実践できるものばかりです。
対策1:公開範囲を限定する
最も基本的な対策は、写真や動画の公開範囲を「友達のみ」「特定のグループのみ」「非公開」などに設定することです。これにより、見知らぬ人に投稿内容を見られるリスクを大幅に減らすことができます。
- 設定方法: 利用しているSNSアプリの設定メニューから「プライバシー設定」「公開範囲設定」などの項目を探し、共有したい範囲を指定してください。初期設定のままになっていることも多いため、必ず確認しましょう。
対策2:投稿前に写真・動画を加工する
顔や個人情報が特定される可能性がある部分は、投稿前に加工することでリスクを減らせます。
- 顔を隠す: スタンプ、モザイク、ぼかし機能などを使って、自分や一緒に写っている人の顔を隠します。
- 背景を隠す/ぼかす: 自宅や学校、職場の外観、表札など、場所を特定されうるものが写り込んでいる場合は、背景をぼかすか、トリミングして写らないようにします。
- 個人情報を含むものを隠す: 名前入りの持ち物、表札、車のナンバープレートなど、個人情報が写り込んでいる部分は隠しましょう。
多くのスマートフォンに標準搭載されている編集機能や、無料の画像加工アプリで簡単にこれらの加工ができます。
対策3:位置情報(GPS情報)を削除する
スマートフォンで撮影した写真には、初期設定で撮影場所のGPS情報が記録されていることがあります(Exif情報と呼ばれます)。この情報が付いたままSNSに投稿すると、正確な撮影場所が知られてしまいます。
- 位置情報サービスの無効化: スマートフォン自体の設定で、カメラアプリによる位置情報記録を無効にできます。
- 投稿前にExif情報を削除: 投稿する写真からGPS情報を含むExif情報を削除できる無料のアプリやウェブサービスがあります。これらを利用すると、プライバシーに関わる情報を削除してから投稿できます。アプリストアで「Exif 削除」「位置情報 写真 削除」などで検索してみてください。
対策4:子供の写真を投稿する際の注意点
お子様の写真には、制服、通学路、保育園・幼稚園名、習い事の場所など、個人を特定しやすい情報が含まれがちです。
- 顔出しは控えるか、公開範囲を限定する: 親しい友人・家族のみに見せる設定にしたり、お子様の顔がはっきり分からないように写したり、スタンプで隠したりする工夫が大切です。
- 学校名や場所が特定できる情報を避ける: 制服全体が分かる写真、学校の看板や建物が写り込んだ写真、自宅周辺と分かる背景の写真は避けるようにしましょう。
- 子供と一緒に考える: ある程度大きなお子様なら、SNSに自分の写真を載せることについて、親子で話し合い、一緒にルールを決めることも大切です。
無料ツールを活用してあんしん投稿
写真や動画の安全性を高めるために役立つ無料ツールやスマートフォンの機能をご紹介します。
- スマートフォンの標準編集機能:
- 多くのスマートフォンには、写真アプリにトリミング、スタンプ、モザイク、ぼかしなどの編集機能が備わっています。これらの機能を使って、簡単に顔や背景などを隠すことができます。
- 無料画像加工アプリ:
- より高機能な加工をしたい場合は、無料の画像加工アプリを試してみてください。「PicsArt」「 ibis Paint」など、豊富な加工ツールを提供するアプリがあります。顔認識をして自動でモザイクをかけられるものもあります。
- Exif情報削除ツール・アプリ:
- 撮影場所などのExif情報を簡単に削除できる無料のアプリやウェブサービスがあります。「Remove Exif Online」のようなウェブサイトや、スマートフォン向けのExif削除アプリを利用すると便利です。投稿前に習慣づけるようにしましょう。
まとめ
SNSでの写真や動画の投稿は、日々の出来事を共有する楽しい手段ですが、個人情報の特定や悪用といったリスクも存在します。これらの危険性を正しく理解し、公開範囲の設定、写真の加工、位置情報の削除といった簡単な対策を実践することで、よりあんしんしてSNSを利用することができます。
今回ご紹介した対策や無料ツールをぜひ活用していただき、SNSでのコミュニケーションを安全に楽しんでいただければ幸いです。