SNSの不審な広告に潜む危険と無料で見抜く方法
SNSを利用していると、様々な広告を目にする機会が多くあります。興味のあるものやお得な情報のように見えて、ついクリックしたくなることもあるかもしれません。しかし、中には私たちの安全や個人情報を脅かす危険な広告も紛れ込んでいることがあります。
この記事では、SNSの不審な広告に潜む危険性についてご説明し、どのようにして危険な広告を見分け、無料で身を守るための方法や考え方をご紹介いたします。
SNS広告に潜む危険性とは
SNS広告は、多くの人が利用しているため、悪意のある人もターゲットにしやすい場所となっています。不審な広告をクリックしたり、その先のサイトで情報を入力したりすることで、以下のような危険に遭う可能性があります。
- フィッシング詐欺: 有名な企業やサービスを装った偽のウェブサイトへ誘導し、ログイン情報やクレジットカード情報などを盗み取ろうとする手口です。広告から偽サイトにアクセスしてしまうことがあります。
- 詐欺サイトへの誘導: 実際には商品が届かない、あるいは粗悪品が届くような詐欺的なオンラインショップに誘導する広告です。「限定価格」「今だけ半額」など、お得感を強調して急かせるのが特徴です。
- 個人情報の不正な取得: アンケートや簡単な診断などを装って、氏名、住所、電話番号、生年月日などの個人情報を入力させ、悪用する目的の広告です。
- 偽アプリやマルウェアのダウンロード: 広告をクリックすると、スマートフォンやパソコンに不正なプログラム(マルウェア)をダウンロードさせようとする場合があります。これにより、端末の情報が抜き取られたり、勝手に操作されたりする危険があります。
- 誇大広告・虚偽広告: 効果が実証されていない商品やサービスを、実際よりもはるかに優れているかのように見せかける広告です。金銭的な損害につながる可能性があります。
不審なSNS広告を見分けるためのチェックポイント(無料)
危険な広告に騙されないためには、安易にクリックせず、いくつかの点に注意深く目を通すことが大切です。特別なツールを使わなくても、無料でできる基本的な見分け方をご紹介します。
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広告の文章や日本語がおかしくないか確認する 不審な広告の中には、外国人が作成したためか、不自然な日本語や誤字・脱字が多く含まれていることがあります。敬語がおかしかったり、表現が不自然だったりする場合、注意が必要です。
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提供元(広告主)を確認する SNS広告には通常、その広告を出している企業やアカウントの名前が表示されています。知っている企業やブランドの広告でも、そのアカウントが公式のものであるかを確認することが重要です。公式サイトや正規のSNSアカウントは、通常、認証バッジ(公式マーク)が付いていることが多いですが、これも偽造されることがあるため、アカウント名や過去の投稿なども合わせて確認しましょう。
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URLやウェブサイトのデザインがおかしくないか確認する 広告をクリックする前に、表示されているリンク先のURLをよく見てみましょう(リンクにカーソルを合わせると画面の隅に表示されることが多いです)。
- 知っている会社のURLと微妙に違う(例:「example.com」が「exanple.com」になっているなど)。
- URLの始まりが「http://」ではなく「https://」になっているかを確認します。「s」が付いている「https」は通信が暗号化されていることを示し、比較的安全ですが、「https」だからといって詐欺サイトではないとは言い切れません。
- URLが非常に長い、意味不明な文字列が含まれている、といった場合も注意が必要です。
- もしサイトにアクセスしてしまった場合でも、サイトのデザインが公式のものと比べて粗末だったり、画像が不鮮明だったりする場合も疑わしいです。
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過度に魅力的な条件や緊急性を煽る内容に注意する 「限定〇名様!」「残り時間わずか!」「絶対に儲かる!」など、現実離れしたお得な情報や、今すぐ行動しないと損をすると思わせるような広告は、詐欺である可能性が高いです。冷静に考え、すぐに飛びつかないことが大切です。
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連絡先や会社情報が明記されているか確認する 正規のオンラインショップやサービスであれば、通常、運営会社の名称、住所、電話番号、メールアドレスなどが「特定商取引法に基づく表記」などで明記されています。これらの情報が見当たらない、あるいは連絡先がメールアドレスだけ、といった場合は信用できません。
SNS広告の安全性を高めるための対策(無料)
上記のチェックポイントに加えて、さらに安全にSNS広告と付き合うための対策をご紹介します。
- 安易なクリックを避ける: 最も基本的なことですが、少しでも不審だと感じたら、絶対にクリックしないことが重要です。
- 検索サイトで確認する: 気になる商品やサービスが広告に出ていたら、広告から直接アクセスするのではなく、一度Googleなどの検索サイトで正式名称を検索し、公式サイトを探してそちらからアクセスするのが最も安全です。
- SNSの報告機能を活用する: 不審な広告を見かけたら、SNSの運営会社に報告しましょう。これにより、その広告が表示されなくなるだけでなく、他の利用者を守ることにもつながります。報告方法は、各SNSのヘルプページなどで確認できます。
- ブラウザのセキュリティ設定を見直す: お使いのインターネットブラウザ(Chrome、Safari、Edgeなど)には、危険なサイトへのアクセスを警告したりブロックしたりする機能が備わっていることがあります。これらのセキュリティ機能を有効にしているか確認しましょう。
- 広告ブロックツール: ブラウザの拡張機能や一部のブラウザアプリには、広告を非表示にする機能(広告ブロック)があります。これを利用することで、そもそも危険な広告を目にする機会を減らすことができます。ただし、全ての広告をブロックできるわけではなく、正規のサイトの表示に影響が出る場合もありますので、利用は慎重に検討してください。
まとめ
SNS広告は便利な情報源となる一方で、様々な危険が潜んでいます。特に、お子様が見る可能性も考えると、その危険性を理解しておくことは非常に重要です。
不審な広告を見分けるためには、日本語の不自然さ、提供元の信頼性、URLやサイト情報の確認、過度に魅力的な内容への警戒などが基本的なチェックポイントとなります。そして、最も効果的な対策は、安易にクリックせず、常に冷静な判断を心がけることです。
少しでも不安を感じたら、今回ご紹介したチェックポイントを思い出し、検索サイトで調べ直したり、SNS運営に報告したりといった行動をしてみてください。安全なSNS利用のために、これらの情報をぜひお役立ていただければ幸いです。